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ワシミ整形外科

最近、思うこと

コラム

 

私は、現在木曜日は保健衛生大学で骨軟部腫瘍専門外来をさせて頂いております。骨原発の腫瘍、例えば骨肉腫などに比べ圧倒的に多いのが癌の骨転移です。それも私より若い、20代、30代の方の骨転移も多くなってきている印象を受けます。常時30人以上の骨転移の方の治療をさせていただいております。ただの腰痛だと思ったのが、癌の転移などといきなり言われた時の反応は人それぞれ様々です。私も極力言葉を選んでいるつもりでも、なかなか最初は受容して頂くのが困難なようです。しかし、こちらが誠心誠意尽くせば、ほとんどの方が一緒にがんばってくださります。では患者さんや私どもが手を尽くせば、癌の骨転移でも直るのか?それは神様にしかわかりません。しかし、直る、直らないは別にして患者さんと一体となって治療を行っていれば、なにかしら見えてくるものがあります。それは言葉では表現できませんが、私にとって一番大切にしている部分でもあり、やりがいを感じる部分でもあります。よく、他のグループの整形の先生から「腫瘍は大変でしょう」と言われます。しかし、私はその大変さがやりがいであり、好きなのです。これからも、大学では腫瘍道(=人間道)を突き進みたいと思っています。しかし、終末期を迎えられた方を何人も受け持っていると、流石に自分の気持ちも晴れない日々が続きます。そんな時、ワシミ整形の外来で、長年の顔見知りの患者さんの元気な姿(病院にきているのに元気とはおかしいかも知れませんが、兎に角、体は不自由でもお口は元気なおば様、おばあ様は当院にはなぜか多い)を拝見したり、世間話しをしたりすると、非常に心が軽くなります。そんなわけで、心の浮き沈みの激しい私ですが、今後ともよろしくお願いいたします。どちらが患者かわからないですね。
p.s.私のつまらない戯言のこのコラムを見ているという患者さんが一人みえましたので、もう少し続けてみます。