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ワシミ整形外科

お風呂に入ってはいけないとき

こんにちは、成瀬です。

夏も終わり、だんだんと秋めいてきましたね。

今回は、お風呂に関する興味深い記事がありましたので、皆さんにも読んで頂きたくご紹介いたします。

高齢者の入浴介護をしている看護師さんから「血圧が幾つまでならお風呂に入ってもいいですか」という質問を受けました。一見簡単な質問ですが、20年前はきちんと答えられるだけのエビデンスがないことに気づき、お風呂に関する医学研究を大学で始めました。

全国2330か所の訪問入浴事務所に対して、入浴に関連する事故・体調不良の発生状況について尋ね、どういうときに入浴事故が起こっているのかを調べました。このことからわかったことが3点でした。

◎入浴前の収縮期血圧が160mmHg以上だと入浴事故の発生が3.63倍(オッズ比)

◎入浴前の拡張期血圧が100mmHg以上だと入浴事故の発生が14.71倍(同上)

◎入浴前の体温が37.5度以上だと入浴事故の発生が16.47倍(同上)

つまり、「収縮期血圧が160mmHg以上、または拡張期血圧が100mmHg以上のときや体温が37.5度以上のときには、体調不良を起こす確率が高くなるので入浴は避けた方がよい」ということが明らかになりました。

では、具体的にどのようなことが起こったのか、発熱16.8%、呼吸困難・喀痰喀出困難15.6%、意識障害10.7%、嘔吐・嘔気10.6%、外傷10.6%、血圧上昇7.7%、血圧低下7.7%、チアノーゼ・顔面不良6.0%、不詳17.6%でした。

そのほか、血圧や体温が正常でもかぜでぐったりしているときや息苦しい時、ズキズキと脈打つような頭痛、つまりは片頭痛のあるときも入浴がかえって痛みを助長させてしまう心配があるので避けた方が良いでしょう。さらに打撲などのけがをした後の2~3日や、膝や肩などの関節が熱をもつように痛み始めたときも温めると炎症が悪化するので避けましょう。微熱程度のかぜや、同じ頭痛でも重苦しく締めつけるタイプの頭痛(筋緊張性頭痛)であれば、むしろ症状の緩和になることもあるので、基本的にお風呂に入っていただいて問題ありません。

血圧や体温の高い時、体調の悪い時は無理して入浴しないことがポイントです。

今からの季節、温泉を楽しむ旅行もあるかと思いますが、自身の体調を確認して入浴したいものですね。

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